その男の子に「ぼく、何か元気ないねぇ?」と声をかけると、「全然おもしろくない」と言うのです。挙句の果てに「前のアパートが良かった」と言い出し、「どうして?」と尋ねたら、「向こうはたくさん友達がいたけれど、こっちは全然おもしろくない」。

「部屋をもらえて良かったじゃない」と言うと、「全然おもしろくない、前の方が良かった」とくり返すのです。間違いなく幸せになっていると思っていたその家族の、少なくともその男の子は不幸せなのです。その小さい男の子は、暗い顔をしている。不幸せな顔をしているのです。幸せの住まいづくりではなかったのか、と私は愕然としました。

そのあと、お母さんの勤めているスーパーに行って書類を渡して帰ったのですが、何か気になってしょうがありませんでした。