「自分の足元の土地くらい自分のものにしたい。でも土地は地球がある限り、自分が生きている間、借りているもの。そう思えば、権利を振りかざして、他人に迷惑かけてまで手に入れようと思わない」。

こう言われたお客さまがいた。

相続ができていない土地で所有者の移転ができず困っていたとき、この言葉ですんなり取引が成立した。

不動産は読んで字のごとく動かせない財産のこと。生きている間、一時的に所有し、借りているもの。残していくものではない。しがみつくより手放していけるような使い方をすれば、みんなが幸せになれると思う。

時代にあった活用の仕方、その時の所有者の活用法で瞬間的にも輝ければとても幸せだと思う。こだわらずに売る、もしくは貸す。さらにはあるものに手を加えて、新たな人たちに渡していく。これは会社創業以来の基本的理念だ。

「子孫に美田を残さず」という言葉があるが、全国で『家の跡取りは長男とは限らない』という講演をして回っている私は、こう解釈している。「一生を終えて後に残るのは、自分たちが集めたものではなく与えたものであるのがいい」と。