むかしにぎわった商店街がさびれて、空き家になって家が老朽化したら壊して、空き地に木を植えよう。その木が大きくなったら、木陰でランニングシャツにステテコ姿で将棋をさそう。女たちはみんなノースリーブのワンピース。子どもたちはメンコだ、ママゴトだ。うちわに、かとりせんこう、せみの声。街がさびれていくたびに昔にかえっていく。森になっていく。笑い声がよみがえる。

人がこの世を去ったら、石のお墓の代わりに木を植えよう。その木が大きくなって枯れていくまで、その木を見上げる人たちを励ましつづける。人がこの世を去ったら木を植えよう。人生の記念樹だ。

誰かがこの世を去っていくたびに、地球は森にかえっていく。もといた場所が私たちの行き着く場所。